みやざき援農

農福連携

桑原慎太郎さん

2020/03/31

桑原慎太郎さん

桑原慎太郎(くわはらしんたろう)さん

作業効率アップで、未来を見据えた農業を!
個人の農園から始める農福連携


桑原慎太郎(くわはらしんたろう)さん

桑原さんの農園のことを教えてください

祖父母の代から農家をしていて、私は6年前、父は1年前に脱サラして農業を始めました。水田ではお米と裏作(ほうれん草)を育てています。ビニールハウスでは、きゅうりとナスを育てています。

作業する桑原さん なすの苗

いつから、どんな作業を依頼されていますか?

今年の1月からお願いしています。最初はほうれん草の袋詰めをしてもらいました。ビニールハウスでは、定植準備としてトラックから苗を下ろして約5,000本の苗配りをしてもらいました。うちの従業員もパートさんも入らず、職員さん2人と利用者さん4人で全部作業してくれました。

施設利用者さん

利用者さんの働きぶりはどうでしたか?

うちの従業員も私も、もう多分苗配りはしないですね(笑)頼んじゃった方が安心だと思っています。職員さんが来てくれるので不安もないです。うちの従業員も高齢化してきていて、苗配りや植える作業は大変なんですよね。苗配りをやってもらうことで1日余裕ができるので、体の負担が減って助かっています。
また、できた余裕で私や従業員が他の作業をすることができます。定植後、すぐこんなに綺麗に整っているハウスは今年が初めてです(笑)うちは本当にいいことばっかりですね。

施設利用者さん真剣な表情で作業に取り組む利用者さん

農福連携に取り組んだきっかけはなんですか?

連携しているしろはと工房さんに、ダウン症の妹が入所しているんです。現状では妹を含め、施設の利用者さんが施設外就労でそれほどのお金を稼げるわけではありません。その状況を少しでも改善したいという思いがありました。もともとは障がい者雇用を考えていたのですが、職員さんのサポートがないと難しい。じゃあ妹がいるところに施設外就労をお願いしてみよう、ということで始めました。

また、視察に行った農家さんに「福祉施設の方に合わせた品目とか作業を合わせてやればちゃんと儲かるからすぐやった方がいい」と言われたことも大きかったです。去年、利用者さんに作業してもらうことを想定して試しに選別や箱詰めの仕方を変えてみたら、私たちの作業時間が半分くらいに減ったんですよね。作業効率が上がれば当然利益も増える。それで、これならやれるかもしれないと思って、農福連携をスタートしました。

桑原さんと妹さん「妹がきっかけで農福連携が進みました」仲のいい桑原さんと妹さん

実際に取り組み始めた感想を教えてください

施設外就労を始めてから、利用者さんに還元するために、儲かる方法を考えようというモチベーションが高まりました。利用者さんと一緒に何を作ってどう売るかということを今後も考えていきたいと思います。ますますやる気が出ましたね。

今後どう広がっていけばいいと思いますか?

個人経営の農家でもできることがある、ということを知ってほしいと思います。ハウス内の導線を広くとったり、仕分けや箱詰めの仕方を工夫すれば、施設の利用者さんでも十分に力を発揮してくれる。苗配りやマルチ張りはどこの農家でもある作業なので、少しずつ連携する農家が増えていけばいいなと思っています。それで最終的に、彼らの工賃が上がっていけばいいですよね。

談笑ハウスごとにアルファベットをつけて目印にするなど、施設の方にもスムーズに指示を出せるよう工夫しています

福祉事業者さんに聞きました

亀元良太(かめもとりょうた)さん

施設外就労は、小さくても大きな一歩
楽しみながら日々学んでいます


NPO法人 しろはと工房
亀元良太(かめもとりょうた)さん

利用者さんにとっての施設外就労のメリットはなんですか?

施設の中で過ごすより、自然の中で土に触りながら作業ができるというのは、利用者さんにとってもいいことです。施設ではできない経験をしたり、道具の使い方を学ぶことが、小さくはありますが就労への第一歩なのかなと思います。とにかく楽しいみたいで、ニコニコ作業しています。ハウスの中は暑いし、畑での作業よりも大変なのですが、誰も嫌がる利用者さんがいないんですよね。

施設利用者さん暑いハウスの中でも、わきあいあいと楽しそうに作業をするみなさん

施設ではどんなことをしているのですか?

施設内では、お菓子やケーキを作って地元のスーパーの店頭などで販売をしたり、一般の企業等から委託を受けた仕事を皆で協力して行っています。また、自分達でも農業を行っていて白ネギやキャベツを育てて出荷しています。みんな施設内での農業の経験はあるので、施設外就労の際にもできる作業が多いのかなと思います。

施設外就労で気をつけているところはありますか?

施設外でのお仕事では、苗を持つ時に葉っぱを持たないとか、踏まないとか、細かい部分に気をつけながら作業していますね。この野菜たちがお金になって、そこから工賃をもらえるんだよ、ということも伝えているので、とても丁寧に作業してくれています。

妹さん

工賃はどうやって決めていますか?

しろはと工房では基本的に時給制で仕事を受けさせていただいています。与えられた作業が早く終わった時には、余った時間に他の作業を頼まれたりもしています。その作業をそのまま「明日もお願いしていいですか」という感じで頼まれたりして、どんどんできることが増えていますね。

農福連携についてどう思いますか?

桑原さんのところは利用者さんに対する理解があるので、とても助かっています。でもまだまだ農福連携のことを知らない方も多いので、こういう取り組みがあるということを広く知ってもらって、農業の慢性的な人手不足の解消や、施設の施設外就労の機会が増えることにより、利用者さんの工賃アップに繋がればいいなと思います。





桑原慎太郎さん
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